「どうや?言えそうか?」 「…全部話します」 「ゆっくりで良いからな。無理はしたらあかん」 話の途中、フラッシュバックしかけて止まることが数回あったけど、お水を飲んで休憩しながら何とか話し切った。 自分が受けてきた理不尽な仕打ちを声に出して他人に説明するのは、心に抱えた闇と必然的に向き合うことになる。 私がこの世に存在しなかったことを、生誕十六年にして知ったのも、名前がないことに違和感を抱かなかったのも、理不尽と戦ってきた証拠。