どのくらい待っただろう。 今の時間は読めるようになったけど、ある一定の時刻からどのくらい経ったかは、まだ読めない。 あの家から連れ去られて怖い思いをしたのに、今やその人に会いたいと思っている。 不思議な感情だ。 「時計の針は…」 長い針が零になくて、正確に読めないから大体で読もうとしていると、ガチャっと鍵を解除する音とすぐに扉が開く音がした。