「着いたぞ」





初めて見る景色に戸惑っていると、未知の場所で逃げるはずがないと思ったのか、手足を解放してもらえた。



車を降りて目の前に建つ家に入ろうとすると、停まっていた車が突然動き出して、私と小汚いおじさんの二人だけが取り残された。




「車で逃げられちゃ、困るからな」