「復帰作になるかな」
『ごめんね、舜』
「何に謝ってんの」
『あの事故が舜の全てを奪って、入院してる時も何も考えずに言ってたよね。ごめんね』
泣くことを我慢できなくて、舜の膝に顔だけ倒れ込んだ。
「何で泣くん?」
『舜のこと大好きなのに、苦しめてごめんね』
「俺も凛のこと苦しめたし、でもこうやって一緒にいられて俺は幸せだよ。凛だけは失ってない」
『…ごめん』
「凛と仕事できなくなったのは悲しいけど、一緒にいられるし、良くね?」
舜はずっとずっと私の背中をさすってくれて、落ち着かせてくれた。
舜の方が泣きたいはずなのに…それもごめんねだね。
涙が止まらなすぎて、舜に笑われた。
『なんで笑うの』
「泣きすぎ」
『舜も泣いて』
「無理でーす」
『ティッシュとって』
「まじで笑えるんだけど」
『舜がおかしい』
「俺が?」
『泣くに決まってるし』
「泣き顔可愛い」
『うれしくない』
「落ち着いたら切りますよ」
ティッシュで鼻を押さえてる間に舜はカットを始めた。
なんか、この感じが懐かしくてまた泣けてくる。
今は涙腺が爆発してる。
「泣くなら終わりね」
『これで終わりにされたら街歩けない』
「泣き止んで」
『頑張る』
私は泣き止むことに努力をして、舜はカットすることに集中していた。
美容師の舜はやっぱりかっこいいし、大好き。
だからこそ、復帰できるように全力で応援したいなと思う。

