ぼんやりしたまま、ぼくはブランコに揺られている。
気付いたら舞が先に帰っていた。
 あらら、、、(置いて行かれちゃった。 いっつもこうなんだよなあ。) そう思いながら公園を出て歩き始める。
 やっと家に帰ってくると鍵を開けて中に入る。 母さんたちはまだまだ仕事中。
テーブルに置いてあるカップラーメンにお湯を注いでそれから3分。 待つんだぞ 待つんだぞ。
 蓋を開けるといい匂い。 ラーメンを啜りながら何気にテレビを見る。
そして食べ終わると部屋に飛び込んで布団に体を投げ出す。 頭の中を巡っているのはじいちゃんが言った一言。
 「お前たちには秘密が有るんだ。 いずれ分かるから俺からは言わないけどな。」 何のことだろう?

 秘密って何なんだろう? 気にはなるけどじいちゃんも死んじゃったしなあ。
静かな静かな部屋の中、知らない間にぼくは寝てしまった。
 6時を過ぎてやっと母さんたちが帰ってきた。 「さあ、夕食ね。」
台所でバタバタ動き回っている母さんがテレビをチラ見している。 ぼくはやっと目を覚ましたばかり。
 「今日も舞ちゃんと遊んだんでしょう?」 「うん。 公園に行ってたよ。」
「あんたたち、本当に仲良しねえ。」 「そうなの?」
「あらあら、いっつもくっ付いてるから分からないのね?」 母さんは笑っている。