「あー……分かった、分かった。今義姉さん呼ぶから待ってろ」
そんな二人の会話を聞きながら菫花さん首を捻った。
蒼紫さんにお姉さんはいなかったはず……?
頭上にハテナマークが浮かび上がったところで、控え室の扉が勢いよく開け放たれた。
「凛!大丈夫か?」
血相を変えて入って来たのは京極社長だった。それを見た凛さんが泣きながら社長に抱きつく。そして思いも寄らない言葉が飛び出した。
「パパーー!」
パ……パパ……?
更に頭上にハテナマークが並ぶ。
脳内で処理しきれないほどの情報量に、パニックしていると、関谷さんも血相を変えてやって来た。
「すまない。会場で招待客に謝罪している間にいろいろあったみたいだな。怪我がなくて良かったよ」
蒼紫さんと私に謝罪した関谷さんが、私達から社長に視線を移した。
「京極社長、申し訳ありませんでした。凛ちゃんにお怪我はありませんでしたか?」
「ああ、関谷くん連絡ありがとう。関谷くんに連絡もらってすぐに来て良かったよ」
「いえ、こんなことになってしまって申し訳ありませんでした。凛ちゃんもごめんね」
「まったく凛、それにしても一人でパーティーに行くなんて、どういうことなんだ?」
社長が溜め息を付きながら凛さんにそう言うと、泣きながら凛さんが答えた。
「だって……蒼紫が最近かまってくれなくなったとっ……っ……思ったら、女とパーティーに行くって言うから……。私の蒼紫を……うぅっ……この女から取り返そうと……ふぇっ……思ったんだもん」
「凛、ワガママを言うんじゃない。そうやって菫花さんにも迷惑を掛けたんだろう」
「そんなことないもん。……っ凛、悪くないもん。蒼紫を守っただけだもん」
何だろうこの会話……。


