聞いていれば、みんな自分の事ばかり……。
「いい加減にして下さい!ここを何処だと思っているんですか?皆さんが楽しく過ごされているというのに、あなた方は何を考えているんですか?」
菫花がスッと目を細めながら三人を見据えると、三人の喉がゴクリと音を立てて鳴った。
「桐谷さん、私はあなたのモノにはなりません。そして凛さん、蒼紫さんもあなたのモノにはなりません。何故なら私は蒼紫さんのモノで、蒼紫さんは私のモノですから!」
菫花は三人に一喝すると、会場にいる人達に向かって両手を揃え頭を下げた。
「皆様、お騒がせして申し訳ありません。皆様の貴重なお時間を私達のせいで不快な気分にさせてしまいました。本日のパーティー主催者である関谷総合商社の社長様、本当に申し訳ありませんでした。もうこのようなことのないよう勤めますので、皆さんはパーティーをお楽しみ下さい」
美しいお辞儀を見せる菫花に、パーティー会場から拍手が湧き上がった。拍手をもらえるとは思っていなかった菫花は唖然としたが、柔らかく微笑んでから三人を連れて会場を出た。その後、私達は会場の外にある控え室でにらみ合っていた。
「それで、あんたは誰なんだ?」
「俺は、白川菫花の元上司だ」
「ああ、この間の……元上司、確か桐谷だったか?随分と菫花を虐めてくれていたみたいだが、それなのに菫花が欲しいって?」
「白川は俺のだよ」
「あれだけ拒絶されておいてよく言うな」
「白川菫花、こっちに来い。俺の所に来ないと、どうなるか分かっているだろう?」
菫花に近づいてきた桐谷の手にはナイフが握られていた。あれは先ほどの立食用パーティーの場にあった食用のナイフだ。包丁などよりは切れないとは思うが、危険な事は変わりない。
それを見ていた凛の口から悲鳴が上がる。
「キャーー!」


