首を傾げながら周りを見渡すと、煌びやかな会場には立食用の食事やデザートが用意されていた。飲み物も何でもそろっているようで、沢山の種類が並んでいた。蒼紫さんが給仕のホールスタッフからシャンパンをもらい、私も一緒に頂いたがとても美味しかった。少しすると蒼紫さん一人が呼ばれ、席を外したため今はあまり目立たないよう壁際により、一人で二杯目のシャンパンを頂いていた。シャンパングラス中を小さな気泡がいくつも浮き上がり、琥珀色のその液体がシャンデリアに照らされて、とても美しかった。それを見ながら、仕事用の顔をした蒼紫さんを、遠くから眺めていた時だった。
「白川菫花、こんな所で会うなんて思わなかったよ」
挨拶も無く声を掛けられ、菫花が身構えると、そこには桐谷が立っていた。
桐谷さん……どうしてこの人がここに?
口を開けたり閉じたりするも、なかなか声を出す事が出来ずヒュッと息を吸い込む。すると目の前の男が楽しそうに笑った。
「くくくっ……いいねー。その顔、それにしても今日は随分と綺麗な格好をしているな。一瞬気づかなかったよ。俺のために美しく着飾ってくれたのか?」
桐谷はそう言いながら菫花の頬に触れてきた。
「ひっ!」


