「あれは京極グループの副社長じゃないのか?」
「ああ、隣にいる女性は誰なんだ?」
「結婚した話は聞いていなかったが」
そんな会場内を菫花と蒼紫は堂々と歩いて行く。それだけで会場中から羨望の眼差しを向けられ、女性からは悲鳴まで上がっていた。
「キャー!そんな蒼紫さんが女性をエスコートして来るなんて!」
「私が隣に立ちたかったのに!」
「あんなに幸せそうに笑う蒼紫さん見たことないわよ」
女性から熱い視線を注がれているが、蒼紫さんは何食わぬ顔で歩いている。逆に私は女性達から、突き刺さるような視線を向けられていた。
凄いわ。
沢山の女性から悲鳴を上げられるような人の隣を、私は歩いている。何だかそれが不思議だった。
蒼紫さん凄い人気。
こんなに人気のある人だったなんて……ちょっと心配になる。
チラリと蒼紫さんを盗み見る。すると「ん?」と言いながら不敵に笑ってきた。
うわー!格好いいな。
いつもの子供っぽい蒼紫さんではなく、仕事向きの大人な蒼紫さんは、そこらにいる芸能人なんかより格好いいのではないだろうか?
「菫花、挨拶回りがあるから一緒に来てくれる?」
「もちろんです。招待客リストは見せて頂いたので、全てとは言いませんが名前は覚えています」
「さすが菫花だな」
菫花達は最初にこのパーティーの主催である関谷総合商社の社長と、その息子である関谷章さんにも挨拶を済ませた。その時、関谷さんが気になることを言っていた。
「もう少ししたら面白い子が来るよ」
面白い子?


