不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。


 会場に着きホール前で招待状の確認をしていると、それだけで人々の視線が突き刺さってくる。

 私、変なところないわよね……。
 
 沢山の視線に晒されて、居心地か悪い。そう思いながら蒼紫さんの腕を握ると、腰に腕が回された。

「大丈夫だよ。行こうか」

 蒼紫さんにエスコートされ会場内に入ると、そこは別世界のようだった。天井が高く広い空間には、色とりどりのドレスを着た女性達が楽しそうに談笑している。

「凄い……」

 息を呑み呆けていると、蒼紫さんが声を掛けてくれた。

「菫花、ゆっくり歩き出せる?」

「あっ……はい」

 間抜けな顔をしていたかしら?

 顔を引き締めなくては……ここに来る前に静香さんに言われていたことを忘れるところだった。確か静香さんは真っ直ぐ前を向いて俯かないように、そして顔を引き締めて微笑む、そう言っていた。胸を張っていれば大丈夫だと……私は静香さんに言われたとおり、姿勢を正し少しだけ口角を上げ、蒼紫さんを見上げた。すると蒼紫さんも微笑み返してくれる。それだけで会場中にざわめきが広がっていく。