私の手を握る蒼紫さんの手が震えている。
「ふざけるな。あいつ良くもそんな事を……。散々菫花を追い詰めて置いて守るだって?俺と同じ台詞をよくも」
奥歯がなりそうなほど歯を食いしばり、顔を歪める蒼紫さん。その顔を見て何だか嬉しくなってしまう。
「蒼紫さん、ありがとうございます。蒼紫さんが来てくれなかったら、今頃何処かに連れ去られていたかもしれません」
そう言いながら、今更ながら怖さが襲ってきて体が大きく震えた。それに気づいた蒼紫さんが私を優しく抱きしめてくれた。
私はこの人を信じて良いのだろうか……。
凛さんの姿がチラリと脳裏を横切るが、体を張り守ろうとしてくれるこの人を信じようと決めた。
「そうならなくてホントに良かった。俺は菫花を守れた?」
「はい。蒼紫さんは約束通りに私を守ってくれました」
そう言って笑いかけると、蒼紫さんが唇を重ねてきた。初めはためらいがちに、そっとついばむように重ねられていた唇が、少しずつ大胆なものになっていく。触れるだけだったキスから唇を貪るようなキスへと変わり、舌が腔内を激しく這い回るものへと変わる。久しぶりのふれ合いは、激しさを増していった。
「菫花……菫花……俺の……はぁっ……菫花……」
苦しそうに切なげに蒼紫さんが私の名前を呼んでくる。
私はこの人にどんなに傷つけられても、拒むことは出来ない。この人が私を求めるならそれを受け入れたい。キスをされながら下腹部がズクリと疼いた。
私は蒼紫さんを求めている。
この人が欲しい。


