蒼紫さんが女遊び……?
それもそうか、副社長と言う肩書きとこの容姿だ。周りにいる女性達の方が放っておかないだろう。
「女遊び……」
ボソリと呟くと、蒼紫さんの肩がピクリと跳ねた。
「菫花、違うよ。今は菫花だけ。菫花だけだから、君しかいらない」
今にも泣き出しそうな顔をしながら、蒼紫さんが私を見つめてくる。
私は蒼紫さんのこの顔に弱い。
「分かっています。信じています」
蒼紫さんの頭を撫でながらフッと笑うと、嬉しそうに蒼紫さんも笑いながら甘えてくる。
それを見ていた社長が「まったく……」と言いながら溜め息を付いたとき、大きな音を立てて副社長室の扉が開いた。副社長室にいた三人の視線が扉の前に立っている一人の女性に注がれた。扉の前で立っていた上品そうな女性が、怒りを爆発させんとする勢いでツカツカと部屋の中に入って来た。
「ちょっと、あなた達!何を勝手なことをしているの?」
「「かっ……母さん!」」
蒼紫さんと社長の声が重なった。


