「そうか、良かった」
俺は菫花の言葉が嬉しくてホッとして、涙を流しながらニッコリと笑った。するとそれを見た菫花が頬を染め、何かを呟き震えだした。「可愛すぎる」その言葉は俺には届かなかったが、次の瞬間菫花が俺の唇を塞いだ。
「蒼紫さん、そういう顔は誰にも見せてはいけませんよ」
「は?」
俺は意味が分からず、キョトンと首を傾げた。
「そういう顔です!それは私にだけです。良いですね?」
真剣なその顔を見て、俺がぷっと笑うと菫花が顔を赤くさせながら声を荒げた。
「蒼紫さん、それ!その顔です。泣きながらそんなふうに可愛く笑って」
「こんな姿を見せられるのは菫花の前だけだよ」
「絶対に、約束ですよ」
菫花が可愛らしく小指を立ててきたので、俺はその小指に自分の小指を絡め、そこに唇を落とした。
「約束する」
上目遣いで菫花を見つめると、更に顔を真っ赤に染めた菫花がワナワナと震えだした。
「蒼紫さん、それ本当に絶対、絶対、絶対、誰にも見せないで下さいね!」
菫花からの独占欲が嬉しくて、俺は子供のように笑った。


