あれは元々、ブラック企業で働いていたせいで、心が壊れてしまったんだと菫花言っていた。俺の言動や行動のせいではないんだと……。しかし俺はそうは思っていない。俺がとどめを刺したような物だと思っている。疲弊しきった菫花の心に、俺は更に心をえぐるような仕打ちをした。知らなかったとは言え、酷いことをした。時間が戻るならあの時の俺を殴りつけてでも、叱り菫花を守ってやりたい。
全ては俺が悪いんだ。
ごめん……ごめん……俺が悪い。
俺が悪いんだ。
スーツの男性は今でも苦手だと言っていたのに、無理矢理菫花を側に置きたくて秘書にした。俺は菫花にエゴを押しつけた。その結果がこれか……格好付けて守ると言っておきながら、守ることが出来なかった。
「ごめん……菫花……ごめんな。俺のせいで……」
俺の目から涙が溢れ出していた。
今更謝っても遅いことは分かっている。それでも謝らずにはいられない。
震える手で菫花を抱きしめていると、俺が泣いていることに気づいた菫花が目を見開いた。大の大人である男が泣いていることに、よほど驚いたのだろう。菫花の息を呑む音が聞こえてくる。
「あっ……蒼紫さんは悪くないです。ごめんなさい。スーツの男性は苦手で……その……道を塞がれて、その……蒼紫は助けてくれて……」


