不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。


 何だ……蒼紫は何を怒っているんだ。

「は?嫌、ちょっと菫花ちゃんと遊ぼうと思って」

「菫花をそんな顔にさせておいて?遊んでやるだって?」

「何だよ。ちょっとぐらい良いだろう。お前だって菫花ちゃんと遊んでるんだろ?」

 蒼紫が俺の言葉をさえぎるように、声を荒げた。

「章、ふざけるのは止めろ」

 蒼紫のその様子が、俺には信じられなかった。蒼紫は昔から特定の女は作らない。適当に遊んで女が本気を見せてきたら、ぽいっと捨てる。その男が一人の女性を目の前に、俺にくってかかってくる。

「待てよ。お前どうしちゃったの?そんなにこの子が大事?それなら蒼紫も混ぜてやるよ」

 クククッと笑いながら蒼紫の肩に手を置くと、その手を蒼紫が力一杯振り払った。

「何度も言わせるな。お前ふざけるなよ!菫花のこの状態を見ても、まだそんな事を言うのか?」

 俺は蒼紫から菫花ちゃんに視線を移すと、そこにはヒュッヒュッと短く呼吸を繰り返し、今にも倒れてしまいそうな状態で立ち尽くす菫花の姿があった。