「菫花ちゃんまた会ったね。元気にしてた?」
「関谷さん……」
面倒くさそうに菫花が溜め息交じりに、俺を見つめてくる。
俺は嫌われているんだな。
くくくっ……面白い。
「今日来るって聞いてたから待っていたんだよ」
ウソだけど……ニッコリと笑いながら菫花を見ると、スッと顔色変えた菫花が一歩後ろに引いた。
うわーっ、引かれたよ。
こっちは引かないけどね。
俺は一歩前に出て菫花ちゃんの手を取り壁に手をつくと、その行く手を阻んだ。俯く彼女の顎を軽くつまんで顔を上に上げると、思ってもいない反応が返ってくる。
「ひっ……」
「あっれーっ?何その反応?しかもプルプル震えて、かっわいー」
俺がクスクスと笑っていると、いつの間にか近くにやって来ていた蒼紫に、手首を掴まれた。
「章、これはどういうことだ?」
地を這うような低い声が辺りに響き渡る。


