不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。


 *

 俺、関谷章はいつだってカースト上位に存在していた。幼少期から学生時代、社会人になってもその地位は揺るがず、いつだって俺は人生の勝ち組として存在していた。そんな俺の目の前に、一人の女性が現れた。

 俺を見ても頬を染めることなく、こびを売ることもしない。すました顔で俺の話をやり過ごす。

 何だ?

 かまって欲しいだけなのか?

 ツンデレ?

 しかし、この嫌がようは……それが本心なのだとわかった。

 鳥肌を摩りながら、こちらを蔑むように見つめてくる。

 いいね。

 面白い。

 蒼紫の秘書だというこの女、白川菫花に興味が湧いた。


 会議を終え、廊下を歩いていると、見知った後ろ姿を発見する。

 白川菫花だ。

 そうか、今日は蒼紫が来る日だったか。しかし近くに蒼紫の姿は無く、菫花が一人で歩いていた。

 ラッキー。

 俺は後ろから菫花に声を掛けた。