不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。


 *

「お嬢さん、お嬢さん……」

 肩を叩かれ、ゆっくりと瞼を開いていく。

 ここは……。

 数秒目を閉じ体を休ませようとして、そのまま眠ってしまったようだ。

「お嬢さん大丈夫かい?随分と疲れた顔をしているね」

 そう言って私の顔を覗き込んできたのは、自分の父が生きていれば、きっと同じ年ぐらいだろうと思われる男性だった。その男性は眉を寄せ、こちらを心配している様子が窺えた。

「ごめんなさい……ありがとうございます。眠っていなかったため目眩を起こして……ここで休んでいたら眠ってしまったようです」

「そうか……今仕事から帰って来たのかい?」

「はい……」

「夜勤をする仕事なのかな?」

「いえ……その……サービス残業で……今から帰るところです」

 それを聞いた男性が更に眉を寄せた。

「それは随分とブラックな会社に勤めている様だね」

「ですよね……」

 無表情で応える私の横に男性は腰掛けた。

「良かったら話を聞こうか」