不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。


 *

 そして私は副社長室へと呼ばれていた。

「チュッ……チュッ……チュッ」

 副社長室にリップ音が響く。

「あの……蒼紫さん……」

「ん?チュッ……何?……チュッ……」

「私は……ここに……んっ……なぜ……ふっ……んっ……呼ばれたんですか?」

「それは……」

 その時、副社長室の扉が突然開いた。この部屋にノックもせずに入ってこれるのは、この会社でただ一人。

「まったく蒼紫お前と言う奴は、菫花さんを困らせるんじゃ無い」

 溜め息交じりにそう言ったのは、この会社のトップで蒼紫さんのお兄さんである社長だった。

「兄さん、良い所だったのに」

「蒼紫さん何を言ってるんですか!ここは職場で、今は仕事中ですよ」
 
 私が少し怒りながらそう言うと、蒼紫さんは私の頭にキスを落としながら、クスクスと笑っている。

「菫花は真面目だね」

 蒼紫さんが楽しそうに笑うのを見て、社長が肩をすくめながらもう一度溜め息を付いた。

「二人とも随分と仲良くなったものだな。それで蒼紫、話とは何だ?」

「ああ……菫花を俺のものにしたい。じゃない……秘書にしたい」

 ん?

 俺のモノ?

 秘書?

 私が?