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そして私は副社長室へと呼ばれていた。
「チュッ……チュッ……チュッ」
副社長室にリップ音が響く。
「あの……蒼紫さん……」
「ん?チュッ……何?……チュッ……」
「私は……ここに……んっ……なぜ……ふっ……んっ……呼ばれたんですか?」
「それは……」
その時、副社長室の扉が突然開いた。この部屋にノックもせずに入ってこれるのは、この会社でただ一人。
「まったく蒼紫お前と言う奴は、菫花さんを困らせるんじゃ無い」
溜め息交じりにそう言ったのは、この会社のトップで蒼紫さんのお兄さんである社長だった。
「兄さん、良い所だったのに」
「蒼紫さん何を言ってるんですか!ここは職場で、今は仕事中ですよ」
私が少し怒りながらそう言うと、蒼紫さんは私の頭にキスを落としながら、クスクスと笑っている。
「菫花は真面目だね」
蒼紫さんが楽しそうに笑うのを見て、社長が肩をすくめながらもう一度溜め息を付いた。
「二人とも随分と仲良くなったものだな。それで蒼紫、話とは何だ?」
「ああ……菫花を俺のものにしたい。じゃない……秘書にしたい」
ん?
俺のモノ?
秘書?
私が?


