俺はあいつを車から降ろし、その後ろ姿を見送った。……のだが、すぐに近くを歩いていた男に肩をだかれ、オロオロとしている姿が飛び込んでくる。
「チッ」
こいつに勝手に触るな。
俺は舌打ちを打ち、車から飛び出した。
「おい、何をやっている?」
男に向かって睨みつけると、男はヘラヘラしながら何処かへ行ってしまった。あいつを見ると、青い顔をしたまま固まっていた。
何だ……この反応は……。
こういうことには慣れているだろう?
俺は先ほどまで他の男に抱かれていた、あいつの肩を抱くと、アパートへと向かった。
「何階だ?」
「あの……三階です」
部屋の前に到着すると、カギを使いあいつが部屋の扉を開けた。そこからチラリと視線だけで中を覗くと、物が少なすぎて胸がザワついた。
父さんからの贈り物はどうしたんだ?
それに父さんが愛人を、こんなアパートに住まわせておくとは思えない。
俺は何か思い違いをしているのか?
混乱する。
俺は何か間違っている?


