不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。


 俺はあいつの手を引くと外に出た。外に出た瞬間から注目を浴びる。人から視線を浴びることには慣れているが、今日は違う。皆があいつを見ていた。俺の隣にいるこいつを……。特に男からの明け透けな視線が多く、イラッとして男達に威嚇(いかく)でもするように睨みつけておく。まったく何なんだ。このいやらしい視線は……うっとうしいことこのうえない。

 俺は見せつけるように、あいつの肩を抱き歩き出した。

 すると男達の視線が今度は俺に注がれる。それは嫉妬による視線で、俺は優越感に浸っていた。そんな事を考えながら歩いていると途端に頭が冷える。

 何をやっているんだ俺は……。

 ミイラ取りがミイラになる……ホントその通りだな。兄を守らなければと思っていたのに、あいつの毒牙に掛からないようにと注意していたというのに。とりあえず、こいつを家に送り届けたら帰ろう。このまま一緒にいることは危険だ。

 俺はあいつからアパートを聞き出すと、車を走らせた。あいつの家には15分も掛からず到着した。

 ここ……なのか……?

 やけに古びたマンションで少し驚く。

 父さんにマンションを買ってもらったりはしなかったのか……?