有無を言わさないといった様子の静香さんの物言いに、菫花は素直に従った。シャワー室から出ると、待っていましたとばかりにブティックの女性店員さん達に囲まれ、頭の先からつま先まで磨かれていく。
「髪の毛も切っていくわね」
「えっ……あの……」
「大丈夫、大丈夫。私は静香よ。よろしく」
「あっ……私は白川菫花です」
静香さんはニコリと笑った。それにしても何が大丈夫なのだろうか……それにどうしてここに美容師さんが?と疑問に思っていると、それを察したのか静香さんが答えてくれた。
「ここはね、時間の無いセレブ御用達のブティックなのよ。ここに来ればあら不思議、魔法使いのおばあさんがいなくても物語のヒロインに早変わり。なんてね!そのために専門の美容師や、エステティシャン、ヘアメーク全てに精通する人間が常時ここにいるのよ」
なるほど、私が今まで生きてきた世界とはまるで違う世界だなと思いながら、スタッフを見渡すと皆がニコリと笑った。
「さあ、ここからが私達の力の見せ所よ」
「「「はい!」」」


