無理矢理に引きずられる様にして、私は副社長の車に乗せられていた。慌てふためく私だったが、副社長は表情も変えずに車を発進させる。そして向かった先は高そうな服が並んだブティックだった。
「いらっしゃいませー」
店員さん達が私達をにこやかに店内へと招き入れたくれたが、私はあまりの場違いさに足がすくんでしまう。
どうしたら良いのか分からない。仕事着である清掃用の服は、びしょびしょに濡れていて濡れ鼠状態である。
副社長はそんな私の様子を無視し、店の中まで入って行くと店員に話しかけた。
「静香、見れるようにしてやってくれ」
静香と名前を呼ばれた店員がニコリと微笑んだ。
「あら、蒼紫が女の子を連れてくるなんて初めてじゃない。それにしても、この子どうしたの?」
「良いから、さっさとしてくれ」
「分かったわよ」
二人は知り合いなのか、軽口を叩くように会話をしている。それを聞きながら戸惑っていると、私は静香と呼ばれた女性に奥へと連れて行かれた。
「ではお客様、こちらへどうぞ。ここにはシャワールームもあるのよ。体が冷えきっているから、先にシャワーを浴びてきなさい」
「あの……」
「さっさと行きなさい」
「はい」


