* 懐かしい夢を見た。 大きくて優しい手で撫でられている。 この手は紫門さんの手だ。 死んでしまったなんてウソだったんだ。 また私に会いに来てくれた。 そっと目を開けると驚いたように、目を見開く紫門さんの顔があった。 「紫門さん……」 その顔を見て私はふわりと笑った。 ああ……笑えた……。 やっと紫門さんに笑いかける事が出来た。