不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。


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 関谷総合商社のパーティーから数日が経ち、落ち着きを取り戻していた頃、桐谷の報告を受けた。どうやら桐谷さんはかなり病んでいたようで、退職して病院へと入院したことが分かった。なにせあの会社だ、精神的に参っていたのだろう。これをきっかけに仕事を辞められて良かったのではないだろうか。ゆっくりと静養してもらいたい。きっと気の迷いであんな台詞を吐いてしまったのだろうから……。ついでと言っては何だが、私に嫌がらせをしてきた女性社員三人は、蒼紫さんに自分達がしてきた嫌がらせがばれ、左遷させられたらしい。しかも三人バラバラで……。可哀想だけど支店はかなりの田舎にあり、重労働させられているとか……。そろそろ音を上げて止めるのでは?という話らしい。あんな学生みたいな嫌がらせをしたんだから自業自得だ。蒼紫さんから報告を受けながら頷くと、蒼紫さんが手を握ってきた。

「ところであの会社に、菫花のことを思っていた男性社員は何人ぐらいいたの?」

「はぁ?」

 思わず変な声が飛び出してしまった。

「だから、あの会社に菫花を好きな男は何人ぐらいいたの?」

「え……ちょっと待って下さい。そんな人いませんよ。男性から誘われたことなんて無いですから!皆そんな時間なかったですし」

「でも桐谷はあんなにも菫花に執着していたじゃないか」

「あれは病んでいただけでしょう?」

「いや、あれは元々菫花に好意があったのに拗らせてしまっただけだろう。小学生の、好きな子は虐めたいって言うあれだよ。菫花が気づかなかっただけで、菫花を見ていた男は沢山いたんじゃ無いか?」

「ふふふっ、そんなまさか」