そう言うと腰に添えられていた蒼紫の手がピクリと動いた。そしてエレベーターの扉が開くと、足早に歩く蒼紫さんに遅れないようにでついて行く。部屋に入り扉が閉まるより早く、深いキスが始まった。
「ふっ……んあっ……あっ……」
息継ぎをしようともがくと「可愛い。可愛い」と呟く蒼紫さんの声が聞こえてくる。
そのままベッドにダイブするように倒れ込み、二人の重みでベッドが軋んだ。
「菫花、我慢できない。このまま良い?」
「はい……蒼紫の好きなようにして下さい」
「菫花、愛している」
愛……その言葉を聞き、温かなモノが目尻から下へと流れ落ちる。菫花の瞳から涙が溢れ、それを蒼紫さんがついばみながら吸い取り「しょっぱいな」と言いながら笑った。その顔を見て菫花は心底安堵した。蒼紫さんと凛さんとの関係を勝手に勘ぐり、嫉妬して思い悩んでいたが、全ては自分の勘違いだった。
裏切られたと、あの時絶望しか無かったのに……今はこんなにも幸せだ。
蒼紫さんが愛を囁いてくれる。
私も、この思いを蒼紫さんに聞いて欲しい。
私の思いを伝えたい。
「嬉しいです。私も蒼紫さんが……」
最後まで言わせてほしいのに、蒼紫さんがキスで口を塞いでしまうため、思いを伝えることを許してくれない。それでも私は蒼紫さんに伝えたい。私の気持ちをあなたへの思いを……。
「蒼紫さん……っ……んぁっ……私も愛しています」
それを聞いた蒼紫さんが嬉しそうに破顔した。
ああ言って良かった。
「蒼紫さん」
菫花は蒼紫の頬を両手で包み込むと、自分の方へと引き寄せ自ら唇を重ねた。
そのまま私達は一晩中何度も愛を確かめ合い、肌を重ねたのだった。


