KISSでチェンジ!

てんやわんやになりながらも茜の小説は完成した。
今回は短編として書いたらしいけれど、その作品は純と良明が読むことを許されなかった。

「俺たちがモデルになった作品なのになんで読んじゃダメなんだろうなぁ」
学校までの道のりで純が不服そうに唇を尖らせる。

書き上がれば一番最初に読ませてもらえるものだと思いこんでいた。
「そうだな。俺も読んでみたかったから残念だな」

良明も本気で残念がっている。
いつの間にかふたりは茜の小説のファンになっていた。

他にも茜は気の合う友人を何人か見つけたみたいで、小説を読んでもらっているところを目撃したことがあった。

茜が元気に夢に向かっているのは嬉しいことだけれど、なんとなく寂しさも感じる。
茜の一番のファンは自分たちでありたいという気持ちがあった。

そして1年A組の教室のドアを開けたときだった。