三途の駅のおくりもの




 期限の、延長。それはつまり、死期を遅らせることを意味してるんじゃないか。迷うことなく舞依の切符を券売機に入れて、延長ボタンを押す。すると、小さな液晶部分に文字が浮かんだ。


『期限をチャージしてください』


 それから数秒ほど経って、ブザーと共に舞依の切符は吐き出される。切符に刻まれた日付は変わっていない。期限のチャージ、その方法を考えたときに、ひとつの答えが導き出された。使用期限、それは言い換えれば寿命にあたる。すなわち延長とは寿命の譲渡。

 延長の隣にあったボタン、『有効期限確認』をおもむろに押してみる。すると取出口に落ちたのは、俺の名前が刻まれた切符だった。有効期限は、70年先。俺はそれなりに長生きするらしい。

 再び延長ボタンを押し、舞依の切符を挿入、チャージを促す文字列が表示され、そこで俺の切符を入れてみる。寿命の譲渡――そんな考えが本当だとして、迷うことはなかった。俺の命を削ったとしても、舞依が今死ぬことを回避したい、それだけだ。

 液晶に表示される、新たな文字列。


『期限の返却はできません』