三日月だけが見ていたふたりの輝かしい生活

恋愛(ピュア)

鈴/著
三日月だけが見ていたふたりの輝かしい生活
作品番号
1714081
最終更新
2023/12/29
総文字数
45,276
ページ数
33ページ
ステータス
完結
PV数
3,077
いいね数
3
「ええと、俺って、一ノ瀬さんのタイプかな?」

「は?は?はあ?」

「だ、だからね、そうだったらマズイというか」

「全然。まるで逆」

「そうなの?全然好みじゃない?」

「うん。全然」

「そ、そうか。そうだよね。いつも俺を見る時、睨みが利いてるもんね。タイプならもっと優しい目をして見るよね」

「まあ、そうだね」

「ところでさ、一ノ瀬さんには何か目的があるのかな。その、すごく節約している雰囲気だから」

「まあね」

「どんな?」

「言いたくない」

「そうか。じゃあ利害が一致したみたいだよ」

「え?」

「俺も一ノ瀬さんもある目的があって節約している。そして、俺は一ノ瀬さんを、一ノ瀬さんは俺を、全く意識していないってこと」

「あの・・・だから?」

「一緒に暮らそうよ」

あらすじ
元々アパートの隣人だった利香と武者。
2人とも、ある目的があって節約していた。
そして互いに好みではないことがわかり、それなら安全だということになり、節約のために同居することになった。
けれど一緒に暮らしていくうちに、互いの温もりを感じ始める。
狭い部屋のカーテンの隙間から、三日月だけがこっそりとふたりの生活を見守っていた。

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