星空とピアス



こんな所にいるはずないのに、幼なじみの後ろ姿に見えてしまうのはやっぱり会いたいからなのかも、と我ながらすこし恥ずかしい。

大学に入るまで毎日のように顔を合わせていた悠真と、最後にちゃんと会ったのはいつだったか。季節がひとつ前になってしまったかも。二回生になってからはさらに会う日が減ってしまった。

数軒挟んだご近所さんとはいえ、家を出る時間も帰る時間も違ってしまって、高校までの毎日がうそみたい。

LINEで話をしていても、やっぱり顔を見たいと思ってしまって、ようやく自分のココロを素直に認めたのは最近だ。
最近忙しそうで、すこしそっけないメッセージのやり取りを見返してぼすん、と枕に顔を埋める。幼なじみなんて厄介なだけの関係性だよね。

店員さん達のアレ、カマーベストっていうのかな、黒の上下にタイを締めた服装を頭のなかで悠真に着せてみた。

うん、すごくかっこいいかも。

なんだか無意識に口の端が下がってしまう。