蜜月溺愛心中

「ちょっと体は貧相だけど、顔は悪くないし久々に楽しめるんじゃね?」

「うんうん。久しぶりにいい女見つけれたわ。あっ、行くのお前の家でいい?」

そんな会話を二人は始める。水族館から連れ出されてしまうと椿は理解したものの、恐怖から喉が閉まってしまうような感覚を覚え、声は完全に出せなくなってしまう。

(どうしよう……。誰か……!)

辺りを見回すものの、クラゲコーナーには椿たち以外誰もいない。清貴と姫乃に対するモヤモヤではなく、今度は男性たちに対する恐怖から涙が溢れてしまう。その時だった。

「おい、その人を離せ!!」

男性の肩が何者かに掴まれる。掴んだ人物が誰なのか、椿は声で一瞬にしてわかった。目が大きく見開かれ、振り返る。そこには清貴がいた。汗を流し、息を切らせながら、清貴は男性を睨み付ける。

「な、何だよお前……」

「彼女の薬指の指輪が見えないのか?その人は俺の妻だ。……どこかへ連れて行こうものなら、誘拐で警察に通報するぞ」