だから、おじいちゃんが埜夜くんを気にかけるような様子だったんだ。


「でも、気持ち教えてくれないのに、触れたりキスしてきたのはずるいよ」


わたしだって、好きって気持ちを自覚したけど、今の関係が壊れちゃうかもとかいろいろ悩んでたのに。


「埜夜くんの気持ちわかんないし、いろいろ複雑だったんだよ」


「それはほんとごめん。ゆずが可愛すぎて、うまく抑えきかなかった」


「それなら、おじいちゃんに内緒で好きって言ってくれたらよかったのに」


「それだと約束破ったことになるし」


「埜夜くんって変なところ律儀……」


「柚禾のそばにいられなくなるの嫌だし」


でも、埜夜くんの一途で真っすぐな気持ちを知ることができたから。


「ずっとわたしを想ってくれてありがとう……だいすき……っ」


こんなに人を好きになったのも、これからもずっとそばにいたいと思うのも……埜夜くんがはじめて。


「一生俺だけの柚禾でいて」

「うん……っ」


「俺もだいすきだよ……柚禾」


甘いキスが落ちてきた瞬間、幸せで胸がいっぱいになった。



*END*