途中豹牙さんがソファに座るように促してくれて、冷えてきたからと浬がコーヒーを入れてくれた。
話が進むにつれ、『一条冴妃』が過去になっていく。
それを感じたからか、泣くことはなかった。
そして最後まで話し終わったとき。
「どうりで最初っから豹牙に懐いてたわけか。めっちゃ納得〜」
「夏休みとか冬休み前になると表情筋死んでってた理由が分かったわ」
合点がいったというように裕次郎さんと賢人が背もたれに身を預けた。
2人ともスッキリしたような顔をしている。その中に私へと軽蔑や非難は込められていない。
かく言う浬はと言うと。
「つか前に誕生日的に1年も変わらないくせに年上ぶってる奴が嫌いつったの兄貴が原因か」
「はい」
苦虫を噛み潰したような顔をして不満そうにしていた。
「なんだよそれ俺関係ねーじゃん」とブツブツ言っている。



