冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

次は俺の番かと身構えていた賢人を呼び寄せ、またも乗り移る。


「やっぱ軽いな」


まるで重さを感じさせないようにそう呟いた。


【黎明】特攻隊隊長・賢人。

本名・久我(くが)賢人。

赤く短い髪と焦げ茶の瞳が特徴の高校1年生。ガタイがよく、幹部の中で一番身長が高い。

久我工業株式会社代表取締役社長の息子で正式な後継者にあたる。

唯一の同級生だからか私に頼ってくることが多く、私も気兼ねなく頼れる人。


最後に豹牙さんの方を振り返った。

「豹牙さん」と呼ぶと、私が乗り移るまでもなく、賢人から受け取ってくださった。

首に抱きついて、やっぱり豹牙さんのそばが一番しっくりくるな、としみじみ思う。


「さっきからどうした?」

「少し、甘えたくなりまして」

「そうか」


【黎明】総長・豹牙。

本名・日比谷豹牙。

芯の強い黒髪と、夜空で染め上げたような美しい瞳が特徴の高校2年生。

日比谷グループ会長の息子で次期会長。既に御自身で経営されている会社もある。

私を誰よりも理解して──誰よりも深く、愛してくれる人。