冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

部屋から出ると、階下から話し声が耳に入ってきた。


え、嘘──。



「あっ冴妃!と、豹牙!」
「や〜っと出てきた。遅いから2人ともまだ寝てんのかと思った」
「もう大丈夫なのか?」

「・・・何故、リビングに?」



今日は平日だ。

浬は大学生のお姉さんとデートに行くか夕方まで寝てるし、裕次郎さんは彼女と図書館で勉強会、賢人はジムに行くかツーリング、と各々自由に過ごす。

真昼間から全員揃うなんて有り得ない。

だというのに、私と豹牙さんを視認したとたん、3人とも口々に寄ってきた。



「冴妃が心配だったんだろ」

「え、心配・・・?」



3人の気持ちを代弁したような豹牙さんの発言に、浬と賢人は気恥しそうに視線を逸らした。
裕次郎さんは相変わらずニコニコ笑っている。

この状況が面白いと言わんばかりと笑顔に向かって両手を伸ばした。