冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

頬がじわじわと熱くなっていくのが分かる。

堪らなくなって、悶えるようにビーズクッションに顔をうずめた。


愛してるなんて初めて言われた。


『一条冴妃』ではなく、『私』に向けられた真っ直ぐな愛情。

それをくれるのが他でもない豹牙さんだなんて、夢の中にいるようだ。


私を宥めるように、豹牙さんが髪に触れる。その手つきが優しくて、余計に顔を上げられなくなった。


「可愛いな」


吐息のように零した声は弾んでいた。
豹牙さんは完全に私の反応を楽しんでいる。

そうしているとちゅ、とこめかみにキスを落とされた。



「冴妃」

「はい」

「一条を名乗るのは嫌なんだよな」

「えぇ、もちろん」



何を言うつもりなのか、豹牙さんの意図を読む()は与えられなかった。



「じゃあ日比谷はどうだ」

「へっ?」


それって──。