冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


「っえ?」

「手、繋いでた方が安心するだろ」

「ありがとうございます・・・」


おずおずと手を乗せると、豹牙さんがぎゅっと握ってくれた。

そのことに安堵感を覚えた。

私には豹牙さんがいるんだって強く実感できる。

そして一呼吸置いたあと、着信ボタンを押した。

母親はワンコールもせずに出た。



『冴妃ちゃん!?!?良かった、やっと出てくれた!!』

『冴妃、大丈夫なのか!?!あの男はなんだ。まさか脅されてるのか!?!?』



後ろから父親の声も聞こえる。どうやら今日は仕事を休んだらしい。



『冴妃ちゃんママが悪かった!お願いだから話を聞いて!』

『まさかあれで泣くとは思わなかったんだ!』



2人とも自分の訊きたいことをワーワー並べるだけで、私の言葉を聞く気がない。