冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

何故人を殺してはいけないのかという問いに「犯罪だから」と答えるほど欠けた倫理観。


俺たちは同じものを持っているから。


そして今も同じ気持ちだと、俺を見上げる猫目が雄弁に語っている。

だが冴妃はまだ自覚していないようだ。


だから学園の情勢が落ち着いた頃、俺は動いた。


──今日からお前が俺の姫だ、冴妃。


早くこちら側へ来いと誘うように。






「好き」

夢と現実の狭間で冴妃がそう零した。

ややあって俺の腕の中で規則正しい寝息が聞こえ始める。


夏の合宿のときに冴妃はこう言った。

──まだ、ダメです。もう少し待ってください。

だからいつ言うのか待ち望んではいたが、今のは完全に無意識だったな。

聞かなかったフリしてやろうか。
それともからかってやろうか。