冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

出会った頃のボロボロな冴妃はもういない。

【黎明】の幹部・冴妃が、ここにいた。


夕日に照らされツヤツヤと瞬く白髪。

紫とピンクが入り交じった、薄明(はくめい)の空と同じ瞳。

微かに紅潮した頬。

風と共に漂ってくる、やさしい柔軟剤の香り。

真っ直ぐで自由を羽ばたくような思考。

冴妃を構成する全てが綺麗だと思った。



あぁ、好きなんだな。



そう強く自覚させられた。

人を好きになんて初めてだというのに、すぐに身に馴染んで、俺の一部になった。

戸惑うことなく受け入れることができたのは、出会ったときから無意識のうちに冴妃に惹かれていたからだろう。



きっと俺たちは元からこうなるように出来ていた。


人より優れた学力と運動神経。

相手が何を考えているのか読めるほど研ぎ澄まされた洞察力。

世間の共通認識を理解できない異常性。