冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

その頑張りに免じて【黎明】結成の際、姫として迎え入れようとしたが、冴妃はそんな枠如きに収まるような器じゃなかった。


俺が幹部に選んだというより、選ばされたという感覚。


こんなこと初めてだ。

冴妃はつくづく俺に初めての経験をさせる。


それを嬉しいと思うのは何故か。


飼い猫を愛でるようなものなのか。
それとも別の何かなのか。

分からない。

分からないが、不思議と嫌ではなかった。


その答えを得たのは【堕天】との抗争の前日。
俺がらしくもない質問をしたときのこと。


──多少環境は変わると思います。でもそれだけです。私たちが一緒にいることに変わりはありません。


冴妃は迷いなくそう言いきった。


──あなたは私にとって、この世で一番大切な人だから。


その瞳は澄んでいた。