冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

そんな冴妃の様子に反してシワやシミひとつない整ったフリルまみれの洋服。


生きているのか本気で疑いたくなるほど、壊れかけの人形のように佇んでいた。


唯一冴妃の生を証明しているのは頬を伝う涙だけ。

それもすぐに枯れて死んでしまうそうで。放っておけなかった。


──なら俺のところはどうだ。
──私立京極学園。知ってるか?


だかららしくもなく学園に勧誘したんだろう。

あと、直感的に面白そうだと思った。
周りに否定されてきた奴が解き放たれたら、どんな行動にでるのか。

そうは言っても学園に来れなければそれまでの興味だ。

正直来ないと思っていた。
それほどまでに冴妃に絡みつく呪縛が陰湿で強力だったから。


だから入学式の日。


──あのっ、豹牙さん・・・!


髪を切り落としてやって来た冴妃を見て、不覚にも胸が踊った。