冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

顔を上げて、豹牙さんの顔をそっと覗き込んだ。



「私はずっと、『私』ですから」



はっきりとは見えないが、豹牙さんがどんな表情を浮かべているのか分かる。
だってずっと見てきたから。

それは豹牙さんも同じだろう。

私が何を考えてそう言ったのかきちんと理解されている。

だから複雑な表情から落ち着いた表情に変わったのだ。


「そうか。ならいい」


そう言って豹牙さんは私の頭をゆるゆると撫で始めた。
そろそろ寝ようの合図だ。

撫でられているところから睡魔が血液のように全身を廻っていく。


ここは私の安全地帯。

豹牙さんは絶対に無意識に私を傷つけないって知ってるから。


あぁ、本当に豹牙さんのことが──。



「好き」



・・・・・・?

あれ?

私、今なんて言った?

・・・まぁいいか。

明日豹牙さんに訊こう。


眠たさのあまり上手く働かなくなった頭をそのままにして、豹牙さんが与えてくれる温もりに身を委ねた。