「あの、豹牙さん・・・?何をされていらっしゃるんですか?」
「あぁ、起きたか。もうすぐ夕飯できるから座って待ってろ」
「えっ。・・・・・・え!?」
まさかとは思ったが、夕食を作っていただなんて・・・。しかも私の分まで。
動揺のあまり若干身を震わせながら定位置であるローテーブルの前に座り、恐る恐る豹牙さんの様子を伺う。
わざわざ鍋で何を煮込んでるんだろう。
そんな具材買ってましたっけ・・・?
いや、なかった気がする。
お湯が跳ねて火傷しないだろうか。沸騰させすぎて溢れないだろうか。
なんで混ぜもせずにじーっと水面を眺めてるんだろう。
そもそも豹牙さんが鍋を使った料理が作れるのか。
・・・どうしよう。全く想像できない。
過度な心配は相手への信頼のなさからくるのでするのもされるのも好きじゃないが、豹牙さんの料理の腕は普通に信頼できないのでこれは致し方ない。
程なくして運ばれてきたのは、鍋でなく丼につがれたうどんだった。



