でも、豹牙さんの口から語られる私は、紛れもなく『私』のことだった。
そのことに安堵しながら澄んだ低音に耳を傾けていると、いつの間にか瞳を閉じていた。
次に目を覚ました場所は、なんと豹牙さんのベッドの上だった。
私が眠った後、豹牙さんが運んでくれたんだ。
窓の方に目を向けるととうに日は暮れていて、ガラス越しに僅かな冷気を感じる。
そういえば豹牙さんはどこに・・・?と部屋を見渡すと、IHコンロの前に立っていた。
どうやら私はまだ寝ぼけているらしい。
目を擦る。
それでも目に映る光景は変わらない。
頬をつねる。
痛い。
つまり──
豹牙さんが、何か、作ってるって・・・こと?
えっ、あのお米すら炊かない豹牙さんが・・・!?!?
ま、まさか────。



