冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

悔しい。

両親のちょっとした言葉でここまで崩れてしまう自分が。

情けなくて仕方がない。



「私っ、どんどん弱くなってる・・・。どうしよう。このままじゃ、豹牙さんの隣にいられない・・・」



豹牙さんは冷徹な方だ。
だから私とて、お荷物になれば平気で置いてかれる。

それを分かった上でここにいたいと願ったはずなのに。

こんな弱音を吐露したら、もう、ここにはいられな──。



「何か誤解してるようだな」

「っえ、」



誤解・・・?

思わず顔を上げると、豹牙さんの骨ばった手が私の頬に触れた。



「お前は弱くなったんじゃない。ちゃんと痛みを自覚出来るようになっただけだ」



真っ直ぐ告げられた言葉が胸の中で波紋のように広がり、緊張の糸がほどかれていく。

ふっ、と全身の力が抜ける感覚がした。