冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

──ふざけてんのか。

明確な怒りだった。



「都合のいいときだけは甘えておいて気に食わないことがあったらすぐワガママを言う。旅行だって気に入らなかったらその度々言えばいいものを、何を今更・・・」

「覚えてないの?私が花に興味がないって言った日のこと。あのときすっごく怒られたから嫌でも何も言えなくなったんだよ」



父親はなんのことだと怪訝な顔をし、母親も同様に不思議そうな顔をした。

ほんと、そういうところだ。



「私は、意見を言わなかったんじゃなくて、言えなくさせられてたんだよ」



両親が遮るより早く「それに」と続ける。



「言ったとしても聞き耳持たなかったでしょ?今日だって私はこの髪型がいいって言ったのに、美容院予約しようとしたじゃん」

「それは、冴妃ちゃんのことを思って・・・!」



またそれか。