冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

ここが学園だからか、いつもの『私』が抜けきらない。



「もしかして、虐められてるの・・・?」

「っ、違う。これは・・・流行ってるから」



声がどんどん萎んでいくのがわかった。

そんな私を見かねた両親は、私を安心させるために穏やかな表情を浮かべた。


「まぁとにかく座ったらどうだ」

「あ、うん・・・」


私が座ったところで父親が口を開く。 まるで良いことでも提案するかのように。



「髪はまた帰ってきたときにママと同じところに行けばいいだろう。冴妃のためにも早く予約しておかないと」

「そうね。ちゃんと予約しとくから安心してね」



あぁ、吐き気がする。

なんで私の意見を聞く前に髪を切ることが決まったのだろう。

こういうところが心底嫌いだ。



「私、切るつもりないよ。この髪型気に入ってるから」



声が、震える。