「冴妃?どーした?」
「あ・・・大丈夫、です」
そう返したものの、頭の中では危険信号が鳴り響いている。
私立京極学園は全寮制であり、保護者だろうと無断で敷地内に立ち入ることは出来ない。
だが、面会の申請をすればそれが可能になる。
後者は敢えて両親に伏せていたのだが、ついに知られてしまったのか。
心臓が喉から飛び出しそうなほど激しく動いている。息をするのも苦しい。
「──分かりました。すぐに向かいます」
それでも、口をついてでたのは、心と裏腹な言葉で。
「すみませんが先に帰っててください」
心配する浬に背を向け、担任の後へ続いた。
2階から飛び降りれば両親に会わなくていいかな、と投げやりなことを考えながら。



