私は戦い方も知らないし、そもそも体力があまりない。
これでは役に立つどころかただのお荷物だ。


そこで私が目をつけたのが"情報"だった。


情報は時に暴力よりも強い武器になると、世間体に気にする両親を見て、知っていたから。


手始めに豹牙さんの行動パターンを特定して報告したところ、豹牙さんは気味悪がることなく
「凄いなお前。この調子で他の奴のも頼めるか」
と認めてくださった。

それどころか口角が少し上がっていた気もする。


私の行動は傍から見れば歪でイカれてるだろうが、豹牙さんも同じぐらいイカれていたのだ。


こうして情報を仕入れては報告しているうちに、いつの間にか学園では私が豹牙さんに無理やり言い寄ってるという噂が流れていた。


そのせいで自称豹牙さんファンの女子生徒にやっかまれ、大勢に囲まれたこともあったが、

「一般の中学生男子のファンだとかみんなのものだとか騒いでるのってなかなかキツくないですか」とか

「そんなんだから豹牙さんの視界に映らないんですよ」と言ったら近づいてこなくなったので、まぁいい。