もし首席になれば金銭面でも両親に頼ることなく生活できるのではないか、と微かに見えた希望が私を突き動かした。
周りにガリ勉だと真面目ちゃんだとバカにされても構わなかった。
だってそんな幼稚なところに豹牙さんはいないから。
豹牙さんはもっと先で私を待っているから────。
私立京極学園、入学式の日。
私は新入生代表として挨拶をした。
壇上に上がったときに豹牙さんの姿を探したが、そもそも在校生がおらず見つけることは出来なかった。
そのことに落胆しつつ、不良が式典に出るわけないと納得した。
その後入学式と書かれた看板の前で両親と写真を撮り、心配する両親が帰ったところで寮へと走った。
洗面台に立ち、鏡の中の自分と向き合いながら予め買っておいた散髪バサミで髪をバッサリと切り落とす。
小さい頃から女の子は長い髪の方が可愛いと言って、決して肩よりも短く切ることを許されなかった髪。
それらがパラパラと無惨に散らばっていく。



